この記事のレベル
初心者 | |
重要度 | |
難しさ |
仮想通貨で得た利益に税金ってかかるの?
と、思っていませんか。
本記事の内容
- 仮想通貨にかかる税金
- 税金の内容
- 計算方法よくある質問
今や1,500種類以上もあるといわれている暗号資産(仮想通貨)。興味のある30代の方の中には、すでに取引をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事を読むと『仮想通貨(暗号資産)の税金』を深く理解することができるゴリ!
ぜひ最後までご覧ください。
- 仮想通貨に「税金」はかかる
- 原則、「雑所得」に分類される
- 利益「20万円以上」は確定申告が必要
- 未申告で「ペナルティ」も
- 「節税対策」で税金を減らせる
仮想通貨(暗号資産)に税金はかかる?
【結論】仮想通貨による所得に税金はかかります。
ただ~~し!
税金がかかるのはあくまでも利益を出し、その利益を手放したときです。ただ暗号資産を持っているだけであれば、確定申告の必要はありません。
暗号資産(仮想通貨)は課税対象
【重要】年20万円の儲けが出たら、確定申告が必要です。
暗号資産(仮想通貨)を交換したときや、売却したタイミングも含まれます。
なお、学生や主婦など、扶養されている方は、1年間で33万円が課税対象の基準です。
税金がかかるパターン
確定申告が必要になるのは以下の方です。
- 確定申告が必要な人
-
- 給与収入が年2,000万円以上の人
- 給与や退職金以外に年間20万円以上の所得がある人
- 2ヶ所以上から給与をもらい、主な給与以外から年間20万円以上の所得がある
- その他、源泉徴収のない所得がある
暗号資産(仮想通貨)税金がかかるパターンは以下のとおりです。
- 仮想通貨で税金がかかるパターン
-
- 仮想通貨を売却した時
- 仮想通貨の種類を交換する際、支払いが生じた時
- 仮想通貨で何かを購入した時
仮想通貨取引で
20万円以上の利益があったら、確定申告が必要
ということを覚えておきましょう。
仮想通貨(暗号資産)の税金は「雑所得」
税金の種類は「雑所得」です。以下、国税庁HPからの引用でゴリ!
雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。
引用:国税庁
仮想通貨(暗号資産)は総合課税?分離課税?
暗号資産(仮想通貨)で得た利益は雑所得に分類され、総合課税になります。
総合課税とは、対象となるすべての所得を加算してその合計金額に対し課税する方法のことです。以下の所得も総合課税の対象です。
- 利子所得(源泉分離課税とされるものおよび平成28年1月1日以後に支払を受けるべき特定公社債等の利子等を除く。)
- 配当所得(源泉分離課税とされるもの、確定申告をしないことを選択したものおよび、平成21年1月1日以後に支払を受けるべき上場株式等の配当について、申告分離課税を選択したものを除く。)
- 不動産所得
- 事業所得(株式等の譲渡による事業所得を除く。)
- 与所得
- 譲渡所得(土地・建物等および株式等の譲渡による譲渡所得を除く。)
- 一時所得(源泉分離課税とされるものを除く。)
暗号資産(仮想通貨)は累進課税方式
暗号資産(仮想通貨)は累進課税方式です。
累進課税とは、自分が得た収入が上がれば上がるほど課せられる税率がUP。支払い税金が高くなる制度です。
税金がかかる所得額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | なし |
195万円~330万円未満 | 10% | 9万7,500円 |
330万円~695万円未満 | 20% | 45万7,500円 |
695万円~900万円未満 | 23% | 63万6,000円 |
900万円~1800万円未満 | 33% | 153万6,000円 |
1800万円~4000万円未満 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
例えば、仮想通貨取引で年間で4,000万円以上の利益を出すと、1800万円の税金を支払わなければなりません。
仮想通貨(暗号資産)で得た所得の計算式は?
暗号資産(仮想通貨)で得た所得は、1年間の合計を申告します。
合計の金額を計算する方法は「移動平均法」と「総平均法」の2種類だゴリ!
- 移動平均法
-
おもに仮想通貨を買うたびに平均単価を出し、計算する方法のこと。
- 総平均法
-
年間の仮想通貨の買った額と売った額の差額から計算する方法のこと。
現在、会社員しながら仮想通貨取引をする方は「総平均法」がおすすめです。
仮想通貨の売買損益の計算方式
ケース1「移動平均法」
- ケース1【移動平均法】
-
「購入した金額の合計+数量=取得価格(単価)」
- ケース2【総平均法】
-
「1年間に購入した金額の合計÷1年間に購入した数量の合計=取得価格(単価)」
計上できる場合があるため、以下の経費も計算しておきましょう。
- 仮想通貨取引に関するセミナー費用
- 書籍代
- 専用のパソコン代
- 通信費
- 家賃
赤字は繰越不可能
暗号資産(仮想通貨)の取引で損失が出た場合、赤字は翌年以降に繰り越し不可能です。
1年単位で所得が確定し、その分に対して税金が発生するため、注意が必要です。
暗号資産(仮想通貨)の税金でかかる利益の算出方法3選
暗号資産(仮想通貨)の税金がかかるタイミングは以下のケースです。
- ケース①暗号資産を売った時
- ケース②暗号資産で他の暗号資産を買った時
- ケース③暗号資産で何かを買った時
それぞれの計算方法をチェックしていきましょう。
ケース①暗号資産を売った時
自分が持っている仮想通貨を売った場合、税金がかかります。
計算方法は以下のとおりです。
【暗号資産を売った時の計算】
(売った時の価格×売った枚数)-(買った時の価格×買った枚数)
例)1BTC(ビットコイン)=50万円で買って、100万円になったタイミングで売る場合は、(100万円×1BTC)-(50万円×1BTC)となります。
ケース②暗号資産で他の暗号資産を買った時
ビットコインでイーサリアムを買う場合、イーサリアムでアルトコインを購入するなど、暗号資産同士の交換であっても所得が発生する場合があります。
この取引でも、税金がかかることがあります。
【暗号資産の種類を交換する時に支払った時の計算】
「暗号資産の購入価格-譲渡原価(1BTCあたりの価格×支払った数量)」=所得金額
例)4BTC(ビットコイン)を400万円で購入。数か月後に1XRP(リップル)を40枚買うために1BTCを支払った場合、
(3万円×40XRP)-《(400万円÷4BTC)×1BTC)》=20万円
となります。
ケース③暗号資産で何かを買った時
暗号資産で何かを買った場合の計算式は以下のとおりです。
【暗号資産で何かを買った時の計算】
商品の価格-1BTCあたりの取得金額(取得価格÷数量)×支払ったBTCの数量=所得金額
例)200万円で4BTCを購入し、数か月後に15.5万円の商品を買うために0.3BTCを支払った場合は、
15.5万円-(200万円÷4BTC)×0.3BTC=5,000円
となります。
仮に、10万円で1BTCを購入し、1BTCが30万円(当初の3倍)の時にパソコンを買った場合は、
パソコンの価格30万円-1BTCあたりの取得金額(10万円÷1BTC)×1BTC=20万円
が課税所得となります。
暗号資産(仮想通貨)確定申告のやり方5ステップ
ここからは、暗号資産(仮想通貨)に関する確定申告の方法を説明します。
以下の手順で進めます。
- 「年間取引報告書」をもらう
- 「暗号資産計算書」をダウンロード
- 「暗号資産計算書」を作成
- 「確定申告書」に記入
- 税金を納税
それぞれ説明します。
STEP1「年間取引報告書」をもらう
はじめは、暗号資産の「年間取引報告書」を準備します。
これは、自分が利用している仮想通貨取引所(例:コインチェック、GMOコインなど)から交付・送付されます。
報告書をもらうと、総平均法による計算が簡単にできます。
【総平均法】
「1年間に購入した金額の合計÷1年間に購入した数量の合計=取得価格(単価)」
なくさないよう大切に保管しておきましょう!
STEP2「暗号資産計算書」をダウンロード
STEP1が準備できたら、国税庁HPから計算書をダウンロードします。
こちらからダウンロードすることができます。
STEP3「暗号資産計算書」を作成
入力の流れは以下の通りです。
- 年間取引報告書の記載項目を入力
- 暗号資産での決済があればそれも入力
- 前年末の残高があれば年始残高に入力
- 売却価額・売却原価・所得金額は自動計算
詳しくは国税庁が提供している「スマホで確定申告(暗号資産編)」を参考してください。
STEP4「確定申告書」に記入
実際の利益を計算できたら、確定申告書に記入します。
確定申告書の提出方法は、
- 税務署に郵送
- 電子申告
で提出することができます。
初めて確定申告を行う人は、各自治体が実施している「税理士による無料相談会」などに参加することをおすすめします。
なお、所得金額が2,000万円以上、財産価格が3億円以上または資産価額が1億円以上ある場合は、「財産債務調書」の作成が必要です。覚えておきましょう。
STEP5税金を納税
最後に、暗号資産による税金を納税します。
納付は、
- 各種金融機関
- 税務署の窓口
- コンビニエンスストア
- インターネット
などでできます。
(参考)確定申告とは?
確定申告は、1月1日~12月31日までの1年間の所得にかかる税金額を計算し、税金を支払うために行う手付きのことです。
所得とは、収入金額から経費などを引いた金額です。
以下に当てはまる人は、確定申告対象者となります。
- 配当所得があった
- 不動産所得があった
- 事業所得があった(個人事業主)
- 給与所得があった(給与の年間収入が2,000万円を超えている場合、給与以外の副業で20万円以上の所得がある場合、2か所以上から給与を受けている場合)
- 退職所得があった
- 譲渡所得があった
- 山林所得があった
- 一時所得があった
- 雑所得があった(暗号資産(仮想通貨)や年金、副業などによる所得がある場合)
仮想通貨(暗号資産)の税金に関するQ&A
最後に、暗号資産(仮想通貨)の税金に関して、よくある質問をまとめました。
税金に関してよくある質問
- 確定申告しなかったら、バレる?
- いつまでにしなければならない?
- 節税対策はある?
- 書類はいつまで保管しておけばいい?
①確定申告しなかったら、バレる?
結論、必ずバレます。
「少額だから申告しなくていいや」「どうせバレないでしょ」と思う人もいるかと思いますが(私もそうでした)、税務署の調査能力を侮ってはいけません。
法定調査や税務調査、通報など理由は様々ですが、無申告にならないよう注意が必要です。
なお、申告したのに漏れがあった場合も以下のペナルティが生じる可能性があります。
- 付帯税
- 過少申告加算税
- 無申告加算税
- 不納付加算税
- 重加算税
- 延滞税
- 利子税
②いつまでにしなければならない?
確定申告は、原則1月1日~12月31日までの所得を、翌年3月中旬までに申告し納付する必要があります。
令和3年度の所得は、令和4年2月16日~3月15日までに申告する必要があります。
③節税対策はある?
節税対策は以下のようなものがあります。
- 経費に計上する
- 20万円以内で利益確定させる
- 利益確定せずに保有し続ける
- 損益通算を使う
- 開業する
- 所得控除を利用する。
経費に計上する
暗号資産取引にかかった費用は、経費として利益から控除することができます。
例えば、取引ごとにかかっていた手数料や、暗号資産を保有するためのウォレット、暗号資産取引の勉強をするための書籍代やセミナー代などです。
経費額が高くなればなるほど、課税対象になる所得は少なくなります。
取引を行うために使用しているパソコン、スマホなども経費として計上できる場合があります。
詳しくは税理士への相談をおすすめします。
20万円以内で利益確定させる
仮想通貨で得た利益は、年間20万円を超えた場合に所得税がかかります。
逆をいえば、年間の利益を20万円以内にすれば支払う必要はありません。
仮に40万円の利益が出ている場合、一度にすべての利益を確定してしまうと、2万円の所得税を支払う必要があります。
しかし、一度20万円の利益を確定し、翌年に残りの20万円の利益を確定すれば、所得税を支払う必要がありません。
利益確定せずに保有し続ける
極端な話になりますが、利益を確定せずに持ち続ければ(ガチホすれば)税金を支払う必要はありません。
ただし、暗号資産で商品を購入したときや暗号資産を別の暗号資産に購入した場合、課税対象となるので注意ください。
損益通算を使う
暗号資産で得た利益は、その年に限り損失を相殺することができます。
開業する
所得控除を利用する。
④書類はいつまで保管しておけばいい?
書類は申告方法によっても、保管期間が異なります。
①白色申告の場合
- 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿):7年
- 業務に関して作成した帳簿(任意帳簿):5年
- 決算に関して作成した棚卸表、その他の書類:5年
- 業務に関して作成、または受領した請求書、納品書、送り状、領収書など:5年
②青色申告の場合
- 帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、経費帳、固定資産台帳など):7年
- 決算関係書類(損益計算書、貸借対照表、棚卸表など):7年
- 現金預金取引等関係書類(領収書、小切手控、預金通帳、借用証など):5年
- その他の書類:5年
最低でも5年は保管する必要がありますね!
まとめ
仮想通貨(暗号資産)にかかる税金について、その内容、計算方法について解説しました。
- 仮想通貨に「税金」はかかる
- 原則、「雑所得」に分類される
- 利益「20万円以上」は確定申告が必要
- 未申告で「ペナルティ」も
- 「節税対策」で税金を減らせる
ただでさえ確定申告は難しいゆえに、仮想通貨はどこで利益が出たとするのか判断する必要があります。
「面倒くさいからいいや」と思う気持ちも出てしまいますが、申告しなかったが故に家族や職場に迷惑をかけてしまうケースもあります。
仕事や家庭に忙しい日が続く毎日かと思いますが、確定申告も「家族を守る1つの手続き」。
そう割り切って、不明点・疑問点は税理士に相談し、必要な申告・対策を行っていくんだゴリ!